強酸-強塩基滴定(pHを与えて滴下量を求める方法)

今回も水酸化ナトリウムで塩酸を滴定する場合ですが、前回とは逆に、pHを与えて滴下量を求める方法です。この方法は、pHを任意に指定できるので、中和点付近のpHが急激に変化する部分を滑らかに描くことが簡単にできます。

<関係式>
電荷均衡式
[H+]
[Na+] = [OH-][Cl-] に、
[Na+] = CboT/(V+T)
[Cl-] = CaoV/(V+T)
を代入してTについて整理すると、次式が得られます。
[H+] + CboT/(V+T) = [OH-] + CaoV/(V+T)
([H+]
[OH-])(V+T) +CboT CaoV =0
T = {(Cao
[H+] + [OH-])×V}/(Cbo + [H+][OH-])
これが、滴下量T[H+],[OH-]の関係式です。
pH
を与えると、
[H+] = 10^-pH
[OH-] = Kw/[H+]
したがって、pHの値を与えれば、Tの値を求めることができます

<エクセルの操作>
この計算をエクセルでおこないます。
(1)
 Cao, Cbo,Vの値をC3C6のセルに入れる。
(2)
 計算開始のpHを決める。開始のpHは、滴定前の試料のpHとする。
 ・[H+] = Caoなので、pH =1から始める。
(3)
 計算終了のpHを決める。終了のpHは、滴定液のpHより少し小さな値とする。
 ・滴定剤のpH=13より少し小さな12.6とする。
(4)
 プロットしたいpHB列に入れる。
・ 例では、0.2きざみでpHを増やしている。(B10:B126
(5)
 開始のpH(pH=1)について次の計算式をC10H10のセルに入れる。
[H+] = 10^-

 ・C10 =10^-B10
[OH-] = 10^-14/[H+]
 ・D10 =$C$6/C10
Δ = [H+]
[OH-]
 ・E10 =C10 - D10
F = (Cao
Δ)/( CboΔ)
 ・F10 =($C$3 -E10)/($C$4+E10)
T = FV
 ・G10 =F10*$F$5
pH
 ・H10 =B10
(6)
 すべてのpHについて同様の計算を行う。
 ・C10:H10C126:H126までコピー&ペースト
(7)
 このシートを基に、散布図を用いて滴定曲線を描く。

<結果>
作成した滴定曲線およびエクセルシート(抜粋)を図-1, -2に示します。


 図-1

2019-03-06-fig1



-2
2019-03-06-fig2