酸塩基滴定曲線を作成するときのように変数が1([H+])の場合は、Excelで「二分法」を用いることができます。

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しかし、沈殿反応、酸塩基反応、錯生成反応が複雑に交錯する平衡を解析する場合のように、変数が複数になると「二分法」は使えません。このようなとき有効なのがExcelの「ソルバー」機能です。

 

<ソルバーとは>

ソルバーとは、複数の変数を含む数式において、目標とする値を得るための最適な変数の値を求めることができる機能のことです。ソルバー機能を用いると、連立方程式において最適な近似解を一斉に求めることができます。以下、ソルバーの基本的手順を述べます。

 

<ソルバーの組込み>

もしExcelでソルバー機能を組み込んでいなければ、「ファイル」「オプション」→「アドイン」Excelアドイン」「設定」「ソルバー-アドインにチェック」OK」で組み込みます。

 

<ソルバー使用の例>

例として、AgClの溶解度の最小値を与える塩化物イオン濃度を求める式(*)

y = x^-2a2bx3cx^2 = 0

a=10^4.7, b=10^5.0, c10^5.9

ソルバーで解いてみます(この場合、変数は1個です)

 

1) エクセルシートのC2, C3, C4セルに定数a, b, cの値を入れる。

 ・C2=10^4.7

 ・C3=10^5.0

 ・C4=10^5.9

2) 5に変数xの初期値を入れる。たとえば、「0.01」を入れる。

 ・C50.01

3) 6yの式を入れる。

 ・C6=-(C5^-2)+C2+2*C3*C5+3*C4*C5^2

4) データ⇒ソルバー⇒ダイアログボックスが開く。

5) ソルバーのパラメータを設定する。

 ・目的セルの設定: $C$6

 ・目標値: 指定値にチェックを入れ、「0」を指定する。

 ・変数セルの変更: $C$5

 ・制限条件の対象: 「制約のない変数を非負数にする」にチェックをいれる。

 ・解決方法の選択: 「GRG非線形」を選択する。

2019-04-07-fig1
 

 

 ・オプションを選択⇒制限条件の精度精度に例えば「1e-10」を代入⇒「OK」

2019-04-07-fig2
 

 

 ・もとの画面⇒「解決」

 ・ソルバーの結果: 「ソルバーによって解が見つかりました」⇒「OK」

 ・C5に求める答えが出る。x=4.43.E-03

2019-04-07-fig3
 

 

もし、結果がエラー(「実行可能解が見つかりません」)となる場合は、

 ・計算式の間違い

 ・変数セルの初期値が不適切

 ・変数セルの選択が不適切

 ・精度の設定が不適切

などが考えられます。変数が非常に小さな値の場合は、対数変換等で適切な数値にすることが必要でしょう。また初期値はできるだけ答えに近い値を入れることが肝心です。