前回(2019/04/21)は、Zn(NO3)2溶液にNaOH溶液を加えたときの溶解度の様子を見ましたが、今回は前回のデータシートを使って、亜鉛に関する化学種濃度の変化について調べます。
データシートには、亜鉛に関する各化学種の濃度( [Zn], [ZnOH], [Zn(OH)2], [Zn(OH)3]および[Zn(OH)4])の値も計算されているので、添加したNaOHの濃度あるいはpHの値に対するこれら化学種濃度(対数値)の関係について図-1, 図-2に示します。
図-1
図-2
図-1,-2を見ると、0.1 mol/L Zn(NO3)2溶液にNaOHを加えていったとき、溶液中にある化学種(Zn^2+, ZnOH^+, Zn(OH)2(aq), Zn(OH)2↓, Zn(OH)3^-, Zn(OH)4^2-)の生成比率の変化の様子が分かります。
Cna=6×10^-4 mol/L (pH=6.8)付近でZn(OH)2の沈殿が生成し始めます。当量点(Cna=0.2mol/L)までは溶液中でZn^2+ が主要成分ですが、当量点付近ではZn(OH)2(aq) が主となり、当量点をすぎると途中Zn(OH)3^- が、さらに過剰となるとZn(OH)4^2-が主要成分となります。Cna=0.7 mol/L (pH=13.5)付近でZn(OH)2の沈殿が消滅しますが、その後も溶液中ではZn(OH)4^2-が主要成分です。
データシートより、沈殿消滅時は、Zn(OH)4^2-の存在割合が92%、Zn(OH)3^-が8%という計算結果になりました(ただし、活量係数は考慮していない)。


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