前回(2020/02/16)続き。Al(NO3)3溶液にHFを加え、酸または塩基pHを調整した溶液(Al(NO3)3濃度: Cal=0.01mol/L, HF濃度: Cf mol/L)について、pH, Cf化学種濃度溶解度の関係を調べます。

 

関係式は前回の通りです。

Al3+ 3OH- Al(OH)3(s)

Al3+ nOH- Al(OH)n^(3-n),(n=14)

Al3+ mF- AlFm^(3-m),(m=16)

[H] = 10^-pH

[OH] = Kw/[H]

・飽和溶液(沈殿生成時)

[Al] = Ksp/[OH]^3

・非飽和溶液(沈殿非生成時)

[Al] = Cal/α, ここでα = 1+Σβon[OH]^n+Σβfm[OH]^m

[Al(OH)n] = βon[Al][OH]^n ,(n=14)

[AlFm] = βfm[Al][F]^m , (m=16)

[F] = 10^-pF

[HF] = [H][F]/Kf

[NO3] = 3Cal

[Na] = Cn

Q = [H][OH]3[Al]2[AlOH][Al(OH)2][Al(OH)4]2[AlF][AlF2][AlF4]2[AlF5]3[AlF6][Na][NO3]

Q = 0

[F’] = [AlF]2[AlF2]3[AlF3]4[AlF4]5[AlF5]6[AlF6][F][HF]

Rf = Cf[F’] = 0

S = [Al]+Σ[Al(OH)n]+Σ[AlFm]

エクセルの計算方法も前回通りです。

 

● Al(NO3)3 0.01 mol/L のとき、Cf= 0.001, 0.01, 0.1mol/Lにおいて各化学種濃度(log C)がどのように変化するかを-13に示します。



-1

 2020-02-23-fig1

-2

 2020-02-23-fig2

-3

 2020-02-23-fig3

 溶解度曲線の酸性側部分(左側)ではフッ化物錯体が主な化学種であり、pHHFの添加濃度が高くなるにつれて、より高次な錯体が多くなっていくことが分かります。溶解度曲線の塩基性側部分(右側)ではAl(OH)4-が優位の化学種となっています。

例えば、Al(NO3)30.01 M, HF 0.01 Mのとき(-2)pH5付近ではAlF2+が、pH67付近ではAlF3が、pH8付近ではAlF4-が、pH9を超えるとAl(OH)4-が、それぞれ優位の種となっています。

また、HFの添加濃度が高くなると、低いpHでも高次の錯体が優位の種となっています。



 Al(NO3)3溶液にHFを加え、NaOHまたはHNO3pH3にした溶液 (Al(NO3)3:Cal=0.01 mol/L, HF: Cf mol/L)中の化学種濃度(C)Cfの関係を-4に示します(pH3の場合、水酸化物の沈殿は生成しません)

-4

 2020-02-23-fig4