2種類の酸を含む溶液の滴定曲線を描き、分別定量が可能かどうか検討します。二分法を用いて混合酸溶液をNaOHで滴定するときの滴定曲線を作成します。

 

Cao mol/Lの酢酸(HA)Cco mol/Lの塩酸(HCl)を含む溶液V mLCbo mol/Lの水酸化ナトリウム(NaOH)で滴定することを考えます。NaOHの滴下量をT mLとし、また酢酸の酸解離定数をKaとします。関係式は次の通りです([ ]内の電荷の記号は省略)

 

HA ⇆ H++ A-

Ka =[H][A]/[HA]

Kw = [H][OH]

  

[H]=10-pH

[OH] = Kw/[[H]

[A] = CaoV/(V+T)/(1[H]/Ka)

[HA] = [H][A]/Ka

[Cl]=CcoV/(V+T)

[Na] = CboT/(V+T)

 

Q = [H][OH][Na][A]-[Cl] = 0

 

Cao=0.05 mol/Lの酢酸(HA)Cco=0.1 mol/LHClを含む溶液V=10 mLCbo=0.1 mol/LNaOHで滴定したときの滴定曲線を-1に示します(酢酸のpKa=4.6)。また、二分法で行ったエクセルシートの抜粋を-2に示します。この例の場合、滴定曲線は2段階となり、酢酸と塩酸の分別定量は可能です。

化学種の変化から分かるように、第1段目では塩酸が中和し、第2段目では酢酸が中和します。

第1終点までの滴下量をT1mL、最初から第2終点の滴下量をT2 mLとすると、


塩酸: Cco = CboT1/V

酢酸: Cao = Cbo(T2T1)/ V
となります。

-1

2020-03-29-fig1
 

-2

 2020-03-29-fig2

 


一般的にpKaの異なる1価の弱酸と塩酸の混合溶液をNaOHで滴定したときの滴定曲線を-3に示します。この図から分かるように、分別定量が可能となるためにはpKaがおよそ410であることが必要で、可能な酸の組み合わせは限定的です。

-3
2020-03-29-fig3